《Word/3》



「あ? うん。こいつ俺のダチ」
 ───そんなふうに紹介された時、すごくうれしかった。
「そーなん? よろしく」
「こちらこそ──」
 差し出された手を自然に握り返すことが出来た。

 正直、自分でも驚いて。
 今までなかなかうまくできなかったことが、こんなに簡単に出来るなんて。

 ───ザックスが傍にいれば、どんなふうにも変われるような気がした。

 いろんなことがうまくやれる。うまくいくような気がする。
 今まで、ちっともうまくいかなくて思いどおりにならなくて、歯がゆい思いをしていたのが嘘のようだった。

 一人で生きるのは 難しい。
 何かに掴まっていないと。この世界は広すぎる。

 だけど素直になれなくて。自分からは声を言葉を掛けられなくて。
 だから呼ばれるのを待っていた。誰かが呼んでくれるのを望んでいた。

「クラウド」
 ………ザックスは、そんな自分の我が儘な願いに応えてくれた初めての人。

 呼んでくれれば、そこにいられた。

「クラウド。こっち」
 …──名前を呼ばれるたび、手招きされるたび、その横に自分の居場所を見つける。
 呼んでくれれば、その傍に。自分は安心して居ることができた。
 ………『ここにいてもいいんだ』と思えた。

「一緒にいよう」
 安らぎは彼の隣に。言葉の上に。




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